pip 使ってますよね
Pythonを使っている人であれば、pip install
でライブラリをインストールすることはもはや常識ですね。
pip でインストールできるようにするには?
PYPI にパッケージを登録すれば、pip でインストールできるようになります。パッケージのアップロードのためにはPYPIアカウントが必要になるので、作成しておいてください。
PYPI に登録するには?
twine というライブラリがあり、これを使えば以下のコマンドで簡単にアップロードできます。
twine upload --repository pypi dist/*
これは dist
ディレクトリ以下に保存されたパッケージを一括でアップロードするコマンドです。
PYPI 登録用のパッケージを作成するには?
python の setup.py を使って、パッケージを作成することができます。
sdist
ソースコードのパッケージング。インストール時にコンパイルが必要になります。
python3 setup.py sdist
bdist
コンパイル済みバイナリをパッケージのなかに含める方法です。インストール側でビルド環境が不要になるメリットがあり、Windowsでは特に重宝されています。
最近では wheel
を使うのがデファクトになっています。以下のコマンドで wheel を作れます。
wheel は pip でインストールできます。wheelをインストールすれば、setup.py
のときにbdist_wheel
というコマンドを使えるようになります。
# Python2 用のコンパイル済みバイナリを作成
python2 setup.py bdist_wheel
# Python3 用のコンパイル済みバイナリを作成
python3 setup.py bdist_wheel
Python のパッケージ作成用のプロジェクトの作り方は?
細かいことを置いておいて、雛形を使って一気にパッケージ環境を整えてしまいましょう。そのために、cookiecutterを使うことにします。
cookiecutter とは Python 製のテンプレートジェネレータライブラリで、簡単にテンプレートを作成できます。
pip install cookiecutter
インストールすれば、ターミナルからcookiecutter
コマンドが使えるようになります。
テンプレートを用意
cookiecutter で呼び出すテンプレートを用意します。ホームディレクトリ直下に.cookiecutters
ディレクトリを作成し、そのディレクトリにテンプレートを置くことにします。具体的には以下のような流れです。
cd ~
mkdir .cookiecutters
cd .cookiecutters
git clone https://github.com/fx-kirin/cookiecutter-pypackage-kani
github
からテンプレートをダウンロードします。今回は cookiecutter-pypackage-minimal を元に自分なりにより簡潔にできるようにしたcookiecutter-pypackage-kani
を使うことにします。
これで、cookiecutter コマンドからテンプレートを簡単に呼べるようになりました。
ちなみにですが、cookiecutterでデフォルト値の設定は、テンプレートプロジェクト内のcookiecutter.json
ファイルで変更できます。
requirements.txt を作成
プロジェクト内の必要なライブラリを自動で抜き出してまとめて、必要であれば一括でインストールできるようになるrequirements.txt
もこのときに抑えておきましょう。pip freeze
コマンドを使えば、簡単に作成できます。
pip freeze > requirements.txt
私おすすめは以下のコマンドです。pipreqs
は pip freeze
の改良版で、sedでバージョンの指定をわざと外しています。必要ならあとで指定してください。
pipreqs . --print | sed s/==.*// | sort > requirements.txt
requirements.txt
の内容をインストールしたければ、以下のコマンドを実行します。
pip install -r requirements.txt
ただ、今回のcookiecutter-pypackage-kani
では、setup.py
の中で、自動でrequirements.txt
を読み込み、依存パッケージをインストールするようにしています。
これまでの内容をまとめた実行ファイルの作成
以下のバッシュファイルを作成して、PATHを通して実行してください。私は、pypiupload.sh
と名付けています。
#! /bin/sh
#
pipreqs . --print | sed s/==.*// | sort > requirements.txt
rm dist/*
if [ -f README.md ]; then
m2r README.md --overwrite
fi
python3 setup.py sdist
twine upload --repository pypi dist/*
10秒で PYPI 登録をしよう
ここまでで10秒でPYPIの登録ができるようになる準備が完了しました。「準備の時間が全然10秒でできてねーじゃねーか」というクレームは受け付けていません。
|19-05-17 10:35:16|zenbook:/tmp/tmp.WbfAmMcRoW
$ cookiecutter cookiecutter-pypackage-kani
author_name [fx-kirin]:
author_email [fx.kirin@gmail.com]:
package_name [package_name]: testkanipackage
package_version [0.1.0]:
package_description []:
package_url []:
readme_pypi_badge [y]:
readme_travis_badge [n]:
readme_travis_url []:
上記のようにcookiecutter cookiecutter-pypackage-kani
コマンドを呼び出し、package_nameだけ設定します。そして、あとはpypiupload.sh
を呼び出して、アカウント情報を入力すれば完了!
ネットワークの状態にも寄りますが、🔟秒以内のパッケージの作成からアップロードまでできるようになったはずです。
ここまでできるようになれば、PYPIへの登録、自分のパッケージマネジャー化へのハードルはかなり下がったはずです。今回アップロードしたパッケージの削除はPYPI
アカウントにログインして行ってください。これで快適なPYPI
ライフを!
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