Derivatives analytics with Python の学習ノート 4章

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前回の続きです。今回はRisk Neutral Valuationという章です。

読んでいる本はこちら。少しでも興味をお持ちになったら、ここでは詳細には触れませんのでぜひ購入を検討してみてください。この本を片手に参考程度に見てもらえればと思っています。本当は全部公開したいのですが、書籍の営業の邪魔しないように一部のみに留めておきます。見てみたいというかたはご一報いただければ個別に対応しようと思います。

4 Risk-Neutral Valuation

4.1 Introduction

早速専門用語のオンパレードでなかなかついて行けず・・・。

先験的に、どの特徴をマーケットモデルが持っているかということが確かではなが、最低限の必要な要素があり、一番重要なのが the absence of arbitrage opportunities(NA) と no free lunches with vanishing risk(NFLVR)。

金融の中心の結果は the Fundamental Theorem of Asset Pricing。これはマーケットモデルにとって、NA、NFLVRの状態をすべての discounted stochastic processesを作っているequivalent martingale measureの存在に関係づける。martingaleというのは(ある特定の条件下で)平均としてその値が変化しない確率的試行のこと。この結果の重要な推論は手に入れられる、言い換えれば余分なオプションの(discounted) price processesはオプションの価格付けの純粋な確率的アプローチを引き起こすmartingales(確率的試行)であることである。明確に言えば、ある満期を持ったヨーロピアンオプションの価値は単純にrisk-free short ratesによってEMMを元に本日までdiscountedされるその日の期待されるペイオフである。

オプションのmarket-based valuation は主に実数の訓練で、したがって一般的に離散的時間内と離散的状態空間を使って機能する。これは、コンピューターは大きな量の離散的な集合としてしか保存できないからである。しかし、評価の工程において、継続的時間、継続的状態空間モデルからの解析的結果は適切な場合にはいつでも使われる。不幸なことに、そのようなモデルのfundamental theoremの数学的手続きはこの本の焦点を大きく超えている。

そこで私たちは、典型的で私達の目的に適切な離散的時間の離散的状態空間を使ったその理論の主要なブロックを紹介していくルートをとることにする。数学は学部レベルに留める。にもかかわらう‥すべての基本的な概念とアービトラージ価格付けとrisk neutral valuationの結果はほとんど自己含有の形の中で表現することができる。離散的なモデルから得られた直感的な理解は莫大な複雑性を持つ連続的な世界にも通用するべきである。この設定のもとで、中心的な結果は決定され、基準はそれぞれの証明にとって与えられる。

セクション4.2から4.4にかけて、離散的時間の場合をカバーする。4.5では連続的時間モデルを扱う。4.7では数々の証明を提供する。

Wikipedia によると the Equivalent Martingale Measure って Risk-Neutral Measure と同義らしい。
for a given sth は「特定の~にとって」と解釈
“to the existence of”の”to”はrelateにかかっている。
“give rise to”は「〈悪いこと・望ましくないもの〉を起こす, のもとである.」
whenever appropriate 適切な場合はいつでも
Fundamental Theorem of Asset Pricing 裁定取引する余地のない完全にモデル化可能なマーケットに必要なことを提供する理論
Equivalent Martingale Measures
Resk-nneutral Valuation
それぞれの株価がこの測定の元で株価のdiscounted priceと正確に等しくなる確率の測定

4.2 Discrete-Time Uncertainty

このセクションでは、金融市場のリスクと不確実性の概念を捉えることのできる数学的モデルを構築する。固定時間軸[latex][0,T]subset mathbb{R}_+[/latex]に沿った経済を考える。[latex]T in mathbb{N}[/latex]、すなわち$T$を実数の集合とみなしているところでは、[latex]T[/latex]ははterminal dateと呼ばれる。0においては、terminal date Tの時点の経済の正しい状態についての不確実性がある。しかし、ありうる状態の組み合わせについては知られている。ありうるすべての状態[latex]omega[/latex]の組み合わせは[latex]Omega[/latex]と表記され、状態空間と呼ばれる。[latex]Omega[/latex]の部分集合はイベントと呼ばれる。観察できるイベントの組み合わせを形成する組み合わせの族は[latex]Omega[/latex]の代数である。

白抜き文字は実数の集合を表す。

Definition 1 (Algebra)

以下の時、A family $F$ of sets は $Omega$の代数になる。

  1. $Omega in F$
  2. $mathbb{E} in F Rightarrow mathbb{E}^C in F$
  3. $mathbb{E}_1, mathbb{E}_2, … mathbb{E}_I in F Rightarrow bigcup^I_{i=1} mathbb{E}_i in F$
$ mathbb{R}_+$ The set of non-negative real numbers
$bigcup$は和集合の数列といった感じ。$in$は”属する”、”要素である”という意味。
“power set” は”A Power Set is a set of all the subsets of a set.”冪集合。与えられた集合から、その部分集合の全体として新たに作り出される集合のことである。
family の対訳がしっくりこない・・。→が、wikipedia によると”族”と解釈するのが良いらしい。
family of sets で”集合族”という数学用語。
$Rightarrow$は論理含有を意味する。


$mathbb{E}^C$ は$mathbb{E}$ の補集合として表す。$Omega$の冪集合$wp(Omega)$($Omega$のすべての部分集合の組み合わせ)は一番大きな$Omega$の代数になり、${emptyset, Omega}$の族は一番小さなものになる。観察されるイベントの集合の$F$のうえでは、私たちは確率測度を定義することができる。確率測度は起こりうる観測可能なイベントの可能性についての情報を運ぶことができる。

complement は”補集合”
$wp$は楕円関数冪集合

Definition 2 (Probability Measure)

$F$ を $Omega$ の代数とする。関数 $ P : F rightarrow [0, 1]$は以下の条件を満たせば確率測度になる。

  1. $forall mathbb{E} in F : P(mathbb{E}) geq 0$
  2. $P(bigcup_{i=1}^I mathbb{E}) = sum_{i=1}^I P(mathbb{E}_i) $ for disjoint sets $mathbb{E}_1, mathbb{E}_2, … mathbb{E}_I in F$
  3. $P(Omega) = 1$

代数$F$によって定義される確率測度$P$と$Q$は$mathbb{E} in F$をもとで、もしそれらが同じ null-sets $P(mathbb{E}) = 0 Leftrightarrow Q(mathbb{E}) = 0$ を持っていたとしたら、等しくなる。状態空間$Omega$の中の$(Omega, F, P)$の組み合わせ、すなわち$F$が変数の場合の観測しうるイベントの集合$F$と$F$によって定義される確率測度$P$は確率空間と呼ばれる。

一般的に、金融市場で取引される証券は未来の価格の不確実性からリスクのある賭けとなる。私達の簡単な設定において、未来の不確実な価格を持つ証券のモデルを作成する自然な方法は、terminal date の経済の状態の関数を通している。これは、ランダムな変数とランダムなベクトルをモデルへ注入する動機となる。

probability measure は確率測度。今まで何度も出てきたのに・・。
代数 とは 代数的構造 を満たすものを数字に置き換えたもの(という解釈でいいのだろうか・・)。
$forall$ は論理式における全称記号で、「全ての」(全称量化)を表す記号。

Definition 3 (Random Variable)

確率空間$(Omega, F, P)$が与えられた時、ランダム変数Sは関数である。

$S : Omega rightarrow mathbb{R}_+, omega mapsto S(omega)$

数学記号の意味
$f : S rightarrow T$ $f$が$S$から$T$への写像
$x ,stackrel{f}{mapsto}, y$ $x$を写像$f$ によって写したものが$y$であることを意味する。文脈上明らかであれば f の記述は省略される。
この数式の理解が苦しい。
集合論あたりの記号について全然馴染みがないので、付いて行くのに必死・・・。
定義域$Omega$の写像$S$をとると終域$mathbb{R}_+, omega$になり、それは$S(omega)$と等しいと解釈している。
写像とは?

分野に寄っては函数と同義らしい。ベクトル空間での写像には馴染みがあるのだけれど、集合論での写像とは?要学習・・。

X、Y を集合とする。
X の 『 任意 』 の元に対し、Y の元が 『 唯1つ 』 だけ対応するとする。
このような対応規則を 『 X から Y への写像 』 という。



写像 – 数学 | ++C++; // 未確認飛行 C
はてブ数
概要数学には関数(function)という概念があります。関数とは「ある変数に依存して決まる値」の事を指します。集合論的には、「ある2つの変数の間...

これは、$F$可測関数、すなわち$mathbb{E} in {[a, b[: a, b in mathbb{R}, a < b]]}$のそれぞれが以下の逆写像を持つ。

$S^{-1}(mathbb{E}) equiv {omega in Omega : S(omega) in mathbb{E}} in F}$

1つの函数、

$S : Omega rightarrow mathbb{R}_+^K, omega mapsto S(omega)$

は、もしその要素の関数が以下の$F$可測関数になるならば、ランダムなベクトルとなる。

$S^k : Omega rightarrow mathbb{R}_+, omga mapsto S^k(omega), k in {1, …, K}$

すべての要素関数$S^k$が可測関数$F$であるならば、ランダムなベクトル$S$は$F$可測関数になる。

$S$がランダムな変数かランダムなベクトルの場合に $S in F$ を $S$ は $F$可測関数であると書くことが便利なことがたまにある。

Definition 4 (Expectation)

$Omega$が有限の時に確率空間$(Omega, F, P)$が与えられたとしよう。確率測度$P$のもとの確率変数(もしくはベクトル)$S$の期待値$textbf{E}^P[S]$は以下のように定義される。
[
textbf{E}^P[S] equiv sum_{omega in Omega}{P(omega) cdot S(omega)} nonumber
]

ランダム変数の期待値は実数値である。ゆえにランダムベクトルの期待値がベクトルである。

この定義に関して、ランダム変数を実際の時間軸の上で正の値しか取っていないように定義したことを思い出すことは重要である。そうしなければ、私たちはもっと注意深くなるべきである。

ここまでは、日付0の時点においてterminal date $T$の時点での不確実性があるとみなしてきた。しかし、もっと現実的に見ると不確実性は時間を経るごとに解決される。すでに述べたように、$Omega$をdate Tにおける経済のすべての取りうる状態の組み合わせとする。今、date Tにおける真実の経済の状態についての新しい情報が dates $t in {0, 1, …, T}$ に到着するとみなす。一週間、一日、一時間や他の実際の時間の単位のような2つの連続した日付の間の時間間隔$[t, t+1 [, 0 leq T < T$を解釈する上で、この概念は私達にとって十分一般的である。

Definition 5 (Filtration :濾過)

ろ過$mathbb{F}$は$Omega$の代数の減少しない集合族である。すなわち、$F_0 subseteq F1 subseteq … subseteq F{T-1} subseteq F_T$の場合であり、$mathbb{F} equiv (Ft){t in {0, …, T}}$

$(Omega, F, mathbb{F}, P)$の組み合わせをフィルターを通した確率空間と呼ぶ。現在の文脈の中では、濾過は時間経過による不確実性の解決のためのモデルである。もし、一つのイベント$mathbb{E} subseteq Omega$が$F_t$の中にあれば、そのとき date t に置いてイベントが起こるか、起こらないかは既知になる。言い換えれば、$mathbb{E}$が$F_t$の中にあれば、真実の状態$omega$がイベント$E$の中に含まれるか含まれないかということを決定することができる。したがって、$F_t$はdate tの情報集合だとみなすことができる。一般的に、$F_0 = {emptyset, Omega}$ と $F_T = wp(Omega)$、すなわち$Omega$の冪集合とみなすことができる。経済学的に、これは、”経済の始まった時点では何も知っていることはない”ということと”全ては経済の最後の時に分かることになる”ということへそれぞれ置き換えられる。$F_t$が非減少平均となることの要求は失われることはできない。

このような動的な文脈では、確率的(ベクトル)なプロセスを得るために直接的にランダム変数(ベクトル)の概念を作成することができる。これによって、人は動的な証券の価格をモデル化することができる。

Definition 6 (Stochastic Process)

確率的(ベクトル)なプロセス$(St){t in {0, …, T}}$はランダム変数(ベクトル)$S_t, t in {0, …, T}$の日付で順序付けられた列である。

$(St){t in {0, …, T}}$が証券の価格過程を表現しているとしよう。満期時点での証券の価格がこの日付での経済の状態に依存しているので、date t におけるその価格がdate tにおける利用可能な情報 $F_t$に0依存していると仮定することは意味の有ることである。これは、以下の概念を提供する。

Definition 7 (Adaptation)

確率的(ベクトル)プロセス$(St){t in {0, …, T}}$は $forall t : S_t$が$F_t$可測関数であるとした場合、濾過$mathbb{F} = (Ft){t in {0, …, T}}$に適応することと言われる。

証券の価格過程が濾過に適応したら、そのとき経済は情報的に効率的である。ここでの数学的公式化は弱い効率的形とと一致する。金融的モデルにおいて、ときどき反対の状況、すなわち情報が証券の価格過程によって発生することも見つけることができる。このような状態を扱うために、また別の概念が必要になる。

Definition 8 (Algebra Generation : 代数の生成)

$F(S)$と表記され、その$S$が可測関数であることに関して、一番小さな代数となるランダム変数(ベクトル)の$S$によって、その代数は生成される。date t までの確率的(ベクトル)過程$(St){t in {0, …, T}}$によって生成されるその代数は$F(S_i : i in {0, …, t})$と示され、そのすべてのランダム変数(ベクトル)$S_i, i in {0, …, t}$が測定可能なときについて最小の代数となる。

この定義の観点から、$F_t equiv F(S_t, t in {0, …, T})$の場合において確率的工程$(St){t in {0, …, T}}$は濾過$mathbb{F} = (Ft){t in {0, …, T}}$を生成する。もちろん、確率的工程はそれが作成する濾過に適応される。私たちは、以下の定義も必要になる。

Definition 9 (Stopping Time)

$(Omega, F, mathbb{F}, P)$を固定したとしよう。${omega : tau(omega) leq t} in Ft$ が すべて $0 leq t leq T$ならば、ランダム変数$tau : Omega rightarrow [0, T] subset mathbb{R}+$ は $F_t$-stopping time になる。

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